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title「天使にはどうしようもない。」
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テガミバチオンリー同人即売会「Bee King」2012/04/22
合わせの小説本です。Bad-hareさんの挿絵イラストが7枚も入っています!
A5 60p 600円
18禁内容を含みますので、18歳に満たない方、そして高校生の方は買えません。
表紙 (Bad−hare)
装丁 (染)
Jr×ゴーシュ (叶逢樹)
ザジ×ラグ (直)
(叶 逢樹)
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-本文より抜粋- 「博士!」 奇遇ですねと走り寄ってきたスエードの、天真爛漫な笑顔が憎らしい。 こちらはこれ程悩みの種となっているのに、この差はなんだ。 「おまえ……具合が良くないだろう」 むかむかとした感情に流されるまま、その手を取って瞳を見つめた。 「え? 僕は別に……?」 手首を掴んだまま、青年が今出てきたばかりの郵便館へ向かった。入り口で受付へ伝言を頼む。 「ゴーシュ・スエードは疲労のため午後から休むと館長に伝えてくれ。サンダーランドの指示だと言えばわかる」 「えっ」 焦るスエードを尻目に、一言告げるとまたハチノス館を出た。そのまま青年を拉致同然で自宅まで連行した。 「博士――いったい、どう」 ドアを乱暴に閉めると、まっすぐに奥の部屋へ向かった。 寝室の扉を開け、中へスエードを押し込むと、漸く拘束を解く。 「博士……?」 「上着を脱げ。……それから、おまえの大事な鞄も」 「……。……どういう理由からですか……?」 コートを乱暴に脱ぎ、ネクタイを緩めながらサンダーランドはじっと青年を見つめた。 「その制服と、鞄と――今現在の私と、どちらがより多く、おまえを必要としてると思う」 緩んだワイシャツの隙間から首筋が覗くのをスエードは見た。寝入っている時以外、晒すことのない領域だ。完全に戦闘態勢を解いた男の本性をちらつかせることは、サンダーランドにとって本意ではないのかもしれない。 (叶 逢樹) |
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-本文より抜粋- ハチノスには来ないでくれねえか、と彼女に言ったが、じゃあ家の場所を教えてよ、と詰め寄られとうとう、オレ好きな奴がいるから、と言ってしまった。 一度口をついて出たら、目の前の霧が一気に晴れた。 自覚したら抑えきれず、ザジは彼女を拒んだその足でラグのところへ行き、驚くラグの二の腕を掴んで、迫った。 「ザジ? なに」 「これからおまえにキスするけど、嫌ならはっきり拒め」 「ええ!? ちょ、ちょっと待って、なに!?」 突然のことで混乱したようだった。当たり前だが。 「そうだ、彼女は? さっきまたザジを迎えに――恋び」 「恋人じゃねえ。来ないでくれってはっきり断った」 ラグの大きな暗褐色の目が更に大きく見開かれた。 「オレのこと受け入れるか、拒むか、いまここで決めろ」 不遜に言ったものの、本当は自信がなくて拒まれるのが怖かった。不安な顔を見られたくなくてラグの体を強く抱きしめることで隠した。 抱きしめたままじっと待ったが、ラグはなんのリアクションも示してこない。 ザジはまず額にキスをして、頬にキスをした。ラグの体がぴくりと揺れた。 (直) |
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