叶 逢樹の個人誌です。



タイトル「 他人弟兄 」
ページ数 96p
発行 2008年8月15日夏コミ新刊でした。2009年12月の冬コミで完売しております
定価 900円
挿絵・表紙 染  

サイト上に載せていた「I'll catch you up !」を改題したものです。
サイト内にあったものを多少改稿し、他、その後の二人についても書きました。
内容に激しい性描写があるため、18歳未満の方は買えない本でした。

収録内容

1.「他人弟兄(元題 I'll catch you up !)」
あらすじ***大学生のエドは飲み会での賭け事に負け、罰として男女問わずデートしてこいとエンヴィーに命令される。やむにやまれず夜の繁華街で、出会い頭に「お願いします!」と頭を下げたナンパ相手は留学生のアルフォンス・カーティスだった。罰ゲームだということを説明したはずなのに、翌日からアルフォンスは勝手にエドを恋人扱いするようになり、アル目当ての女性たちは大騒ぎ。一方、エリート人生を歩んできたアルはこの恋に本気になるが、恋愛ごとに不慣れなエドに拒否され、どうしたらいいのかわからなくなる。そんな時、偶然エドがグリードと親しくしている場面を目撃してしまい、嫉妬からアルは無理にエドを抱いてしまうのだが……。

2.「エクストゥラ・スィート」*新作書き下ろし。二人、初めての週末を迎える話。R18で甘め。
3.「T.G.I.F.」*新作書き下ろし。エド視点。人気者のアルフォンスに自分が何をしてやれるかを考えたエドは……。コミカル。
4.「SEX IS DRUG」*新作書き下ろし。アル視点。「T.G.I.F.」の直後話。短編ですがR18。

以下、サンプル


「もう来てたの」
 裸の肩に水滴を残しつつ、にっこりと笑う仕草が、妙に色気を醸し出していた。
「お、おう。……ビールもらったところだ」
「え。それ飲んじゃった?」
「いや、これから、飲もうか……」
 どうしようか迷っていたと続ける前に、目の前の缶をアルフォンスの手がさっと取り上げた。
「あっ」
 そして、見ている間にごくごくと一息にそれを飲み干してしまう。
「エドは飲んじゃ駄目」
 空になった缶をトラッシュボックスへ放り投げつつ、アルフォンスは腰のタオルに片手を当てて言った。
「な、なんでだよ」
「今夜のことは忘れて欲しくない」
 こちらの迷いを見透かすかのような言葉に、二の句が継げない。









「エクストゥラ・スィート」より抜粋